2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18655046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中野 環 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (40227856)
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Keywords | フルオレン / 光 / 異性化 / ビフルオレノン / カップリング / キラリティー / 溶解性 / CDスペクトル |
Research Abstract |
高分子のモノマー単位のモデルとして9,9 '-ビフルオレニリデンを合成した。この化合物は、トルエンとテトラヒドロフランとの混合溶媒中でフルオレノンをTiCl_4と精製した亜鉛と反応させせることによるカップリングによってほぼ定量的に赤色の固体として得ることが出来た。ポリマーについての光異性化の検討に先立って、このモノマー単位モデル化合物を用いて光異性化の試験的実験を行った。この目的で、9,9 '-ビフルオレニリデンを光学活性な(+)-ピネンに溶解し500Wのハロゲンランプ照射を行った。その後溶媒を溜去し、残渣試料の円偏光二色性(CD)スペクトルを測定した。その結果、極僅かにCD吸収が観測され、9,9 '-ビフルオレニリデンが光異性化して左右どちらか一方向のねじれを僅かに過剰に発生したことが示唆された。次に、ポリマー合成の原料となる[2,2 ']ビフルオレニル-9,9 '-ジオンの合成を行った。まず、市販の2-プロモフルオレノンをCrO_3を用いて酸化し、2-ブロモ-9-フルオレノンを合成した。次にこの化合物をNiCl_2(PPh_3),Zn,Et_4NIを用いてカップリングさせた。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによりオレンジ色の固体として[2,2 ']ビフルオレニル-9,9 '-ジオン(モノマー)を60%程度の収率で得た。このモノマーは比較的溶解性が低く、テトラヒドロフラン、ジオキサン等にある程度溶解することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)