2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18655054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上野 隆史 名古屋大学, 理学研究科, 助手 (70332179)
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Keywords | バイオミネラル / 蛋白質結晶 / 異常分散 / リゾチーム / ミオグロビン |
Research Abstract |
X線結晶構造解析による金属イオン集積過程の観察 蛋白質と金属イオンが相互作用して金属化合物が形成されてゆく過程(バイオミネラリゼーション)のX線結晶構造解析を用いた直接観測法を確立する。この利点は、初期に予想される低分解能での解析でも構造の決定が容易であり、異常分散効果を利用することによって、異種核の金属イオンを見分けることが可能な点である。本年度は、蛋白質結晶細孔内に金属が結合する条件を見出し、実験系のX線解析装置を用いて、金属の結合やその集積過程を目指した。さらに、スプリング8での各金属ピーク波長による結晶データ収集により、金属イオン配位挙動についての多くの情報を得られる事を確認した。 金属集積過程のスナップショット観察法の確立 Hen Egg White Lysozyme(HEWL)の正方晶に沈殿材と金属塩を含んだ緩衝溶液中にソーキングした後に結晶構造解析を行った。Rhクラスター形成の結晶内での再現性確認,Ruクラスター形成の追跡、さらには、Mn, Pd, Pt, Coイオンのチャネル内の結合を実験系のX線解析装置を用いた構造解析により確認した。特に、PtイオンとCoイオンを逐次含侵した結晶では、含浸する順序をかえる事によって、異なる金属の結合様式を示した。年度末にSPring-8での測定を行い、最適条件の洗い出しを進行中。さらに、ミオグロビンの結晶化もおこない異なる結晶細孔内での金属イオンの挙動解析も進めている。
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Research Products
(6 results)