2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面ステップ反応ダイナミクスを利用した新規ナノ複合構造表面の構築
Project/Area Number |
18655057
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今西 哲士 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60304036)
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Keywords | シリコン / 水素終端化 / アルキル終端化 / ステップサイト / ハロゲン / パターニング / 表面 |
Research Abstract |
本年度は、以下の内容について研究を行い、成果を得た。 <112->方向に0.36°傾斜させた微傾斜水素終端化Si(111)面をHBr水溶液を用いて、Br終端化を行った。この時、HBr水溶液への浸漬時間を調整することによって、おおよそterraceサイトの1/3程度のエリアをBr終端化し、さらにそこをメチルリチウム試薬を用いて、メチル基で置換した。ここで、メチル終端化されていないエリアが-OH終端されていしまっていることがFTIRで確認されたために、NH4F水溶液を用いて、メチル基を残したまま、酸化エリアを再度終端化した。これらの一連の作業によって、たしかに表面の一部がメチル化されていることが、FTIRおよびAFMの観察で明らかになった。また、HBr溶液中への浸漬時間を変化させて、Br終端化エリアの大きさを制御することによって、メチル終端化エリアの大きさも正確に制御できることを、XPSおよびFTIRの測定によって明らかにした。 次に、再度HBr水溶液に浸漬させることによって、残りの半分(全体の1/3程度)をBr終端化した。これに続いて、ヘキシルリチウムおよびプロピオール酸試薬を用いて、それぞれヘキシル終端化およびカルボニル終端化を行った。これらの出来上がった表面をFTIR等を用いて、詳しく、観察した結果、それぞれメチル基とヘキシル基およびメチル基とカルボキシル基の複合表面構造が形成されていることが分かった。また、ヘキシル基は2度目にBr終端化したエリアを選択的に置換しているのに対して、カルボキシル基は、メチル基終端エリア以外の全てのエリアを終端化しており、予想される表面パターニングの構造が少し異なることが分かった。
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