2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域未利用資源を用いた環境循環型非塩素系凍結防止剤開発に関する研究
Project/Area Number |
18655062
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田尻 明男 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 教授 (20006323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 敏之 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20312481)
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Keywords | 非塩素系融雪剤 / 非塩素系消雪剤 / 木酢液 / ホタテ貝殻 / カルボン酸カルシウム / 低環境負荷 |
Research Abstract |
現在専ら用いられている融雪・消雪剤は塩化ナトリウムヤ塩化カルシウムのような塩素系の塩類であり,建造物の劣化促進,道路周辺の耕地の塩素濃度増大,車両の損傷拡大などの原因ともなっている。これに代わる環境にやさしい融雪・消雪剤として,非塩素系の酢酸カルシウム等が開発されているが,原料コストや生産コストの面で割高になり,ごく限られたエリア(空港等)で使用されているに過ぎない。 青森県内で廃棄される植物資源を炭化する際の副生成物である木酢液からカルボン酸類を抽出分離し,同じく県内未利用資源であるホタテ貝殻と反応させカルボン酸カルシウムを得て,環境負荷の少ない融雪・消雪剤に利用することを試みた。このようにして得られるカルボン酸カルシウムは,現在専ら使用されている環境負荷の大きい塩素系の融雪・消雪剤に代わる,非塩素系のしかも安価な原料を用いることから低コストの魅力的な製品となることが将来期待される。 本年実施した試験研究は以下のようであす。 1.エーテルに代わる抽出溶剤の検討を行った結果,コストと収率の面でこれを超えるものが無いことが解った。 2.木酢液からカルボン酸類を抽出する工程の小型プラントの図面設計を行った。ただし,抽出溶媒がエーテルであることが予定コスト(200円/kg)を高めに誘導した。実際の設計は相当する支援機関の補助金を得るなどして実行し,協力企業へ技術移転する予定である。 3.カルボン酸類を効率良く得るため,酢液の種類を選択したり,炭化条件の異なる酢液を用いたり,抽出の方法を変えるなどの検討を行った。
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