2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18655081
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森 敦紀 Kobe University, 工学研究科, 教授 (90210111)
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Keywords | 金ナノ粒子 / トリエチルシラン / 塩化金酸 / アルカンチオール / テトラヒドロピラニル基 / 金チオラート / 金属表面 / 有機合成 |
Research Abstract |
金属表面上での有機合成反応をおこなうために,金ナノ粒子の合成をおこなった。塩化金酸とアルカンチオールを混合し金チオラートとしたのちに,還元剤を加えることにより金ナノ粒子を合成した。反応溶媒をテトラヒドロフランなどの有機溶媒として,還元剤にシラン系の還元剤を用いることで。水を用いずに,過剰量の還元剤を利用することなく金ナノ粒子を合成することが可能な新しい合成法の確立に成功した。シラン系還元剤として,トリエチルシラン,ペンタメチルジシロキサン,ジエトキシメチルシランなどのさまざまな有機シランを用いることができることがわかった。また,ポリ(メチルヒドロシロキサン)のようなポリマー系のシラン還元剤を用いる金ナノ粒子合成にも成功した。また,アルカンチオールの等価体としてチオール基をテトラヒドロピラニル基のような保護基を用いることで保護されたものを用いても金ナノ粒子が合成できることも明らかにした。 得られた金ナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)観察することにより,このようにして合成した金ナノ粒子は非常に粒径分布の狭いものであることがわかった。 さらに,金ナノ粒子を合成するための安定剤の有機化合物として単純なアルカンチオールだけでなく,二重結合,エステル基,シリル基などのさまざまな官能基を持つものを用いることができることがわかった。
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