2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規プラズマ結晶化プロセスを用いた酸化チタンベース機能薄膜の作製と特性
Project/Area Number |
18655085
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 章 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (00302795)
|
Keywords | プラズマ / 結晶化 / ミセル / ナノ粒子 / コバルト / 酸化チタン |
Research Abstract |
極最近、本申請者らはプラズマを用いたアモルファス無機薄膜の独創的な低温結晶化プロセス技術を見出した。この内容は13.56MHzの高周波で発生する酸素またはアルゴンの低温プラズマ中に所定の条件で無機薄膜を短時間暴露するものである。本技術は既知の類似技術である誘導加熱、誘電加熱、プラズマ焼結等とは現象やプロセス条件が明確に異なり、全く新しい現象である。本研究ではこのプラズマ結晶化技術を利用し、従来の熱平衡環境下では事実上合成が不可能であった酸化チタンベースの無機機能薄膜(金属ナノグラニュラ分散薄膜、透明導電性薄膜)を創製するためのプロセス条件を明らかにすることを目的として検討を行った。 平成18年度はガラス基板上への透明酸化チタン薄膜の作製と、金属ナノグラニュラ含有酸化チタン薄膜に重点的に取り組んだ。チタンアルコキシドに適当なシード粒子を添加し、プラズマ照射前に真空紫外光を照射する前処理を実施することで、ガラス基板上へ透明な酸化チタン薄膜を作製できることを見出した。金属ナノグラニュラ含有酸化チタン薄膜の作製では、添加する金属にコバルトを用いた。コバルト化合物の水溶液に界面活性剤を添加して逆ミセル法にてトルエン中に分散し、還元剤(NaBH_4)を添加して金属コバルトを析出させ、この溶液にチタンのアルコキシドを添加して金属コバルトをアルコキシドの加水分解物で包み、これを基板にコーティングすることを実施した。この際、コーティングはグローブボックス内で行った。条件を最適化した結果、金属コバルトナノ粒子を内包した結晶質酸化チタン薄膜の作製に世界で初めて成功した。
|