2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブロック共重合体のミクロ相分離構造を利用した結晶性高分子材料の透明化
Project/Area Number |
18655092
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 克彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30188205)
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
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Keywords | 結晶化 / ミクロ相分離 / ブロック共重合体 / ポリエチレン / ポリイソプレン / 時分割小角X線散乱 |
Research Abstract |
ブロック共重合体は、球状、円筒状、ラメラ状の規則的なミクロ相分離構造を発現する。これらの相構造の大きさは数十nmのオーダーであるので、可視光に対して透明である。したがって、結晶相をこれらのミクロ相分離構造内に限定することができれば、結晶性でありながら透明な高分子材料を実現することができることが期待される。結晶性-非晶性ブロック共重合体において、ミクロ相分離構造を有する融体からの結晶化において、非晶性成分がガラス状である場合は、融体のミクロ相分離構造を破壊せずにミクロドメイン内で結晶化することが期待されるが、非晶性成分がゴム状である場合は、破壊される場合と保持される場合とがある。18年度においては、前者であるポリエチレン-ポリイソプレンブロック共重合体(PE-PIs)において、ミクロ相分離を破壊せずに結晶化する条件を調査した。ブロック共重合体は、ポリブタジエン-ポリイソプレンブロック共重合体をブタジエン部分のみ選択的に水添することによって得た。PE-Pisブロック共重合体をラメラ状ミクロ相分離構造を有する融体から所定の温度に急激にクエンチして等温結晶化させた。そのときの構造変化あるいは形成を、高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリーのBL-10Cにて、シンクロトロン放射光による時分割小角X線散乱により観察した。結晶化温度Tcが高い場合と低い場合において融体のミクロ相分離構造は、結晶化においても保たれたが、その中間の温度においては破壊された。高いTcにおいては結晶化度が小さいために融体の構造が保持され、また、低い温度においては、結晶化速度と構造再編成に必要な分子拡散速度との競争において、結晶化速度が速いためミクロ相分離構造が保たれたものと、結論された。
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Research Products
(4 results)