2006 Fiscal Year Annual Research Report
負イオン注入形成ゲルマニウムナノ粒子による紫外光発光と光源内蔵型複合光触媒の研究
Project/Area Number |
18656025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 博司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20127103)
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Keywords | 負イオン注入 / ナノ粒子 / 光触媒 / 二酸化チタン / 発光 / 酸素欠陥 |
Research Abstract |
1.銀負イオン注入によるアナターゼ型二酸化チタン薄膜の高機能化 ガラス基板上に厚さ500〜800nmの二酸化チタン薄膜をゾルゲル法(ニュータスファイン、フルウチ)により成膜し、500℃30分の熱処理を行い、アナターゼ型二酸化チタン薄膜(X線回折により結晶性を確認)を得た。次いで、このアナターゼ薄膜に30keVのエネルギー、1x10^15〜5x10^16ions/cm^2の範囲で銀負イオンを注入して、各種の温度で熱処理を行ってメチレンブルーの脱色法により蛍光灯光(9600 lx)下での光触媒効率を測定した。その結果、熱処理温度の上昇とともに触媒効率が増加し、400℃の熱処理後に最大の光触媒効率が得られ、その後は低下した。光触媒効率の最大値はルチル結晶の約1.6倍であり、この時の銀注入処理条件は30keV,1x1016 ions/cm2であった。銀注入後の熱処理温度400℃では、表面プラズモン共鳴吸収が2.2eV(563nm)にあり、銀ナノ粒子形成が認められた。 2.ゲルマニウム負イオン注入による二酸化シリコン薄膜からの青色発光 Si基板上の熱酸化SiO_2膜(厚さ100nm)にゲルマニウム負イオンを注入エネルギー50,30,10keVでそれぞれ1.4x10^16,3.2x10^15,2.2x10^15 ions/cm^2注入した。そして、種々の温度で熱処理を行い、断面TEM測定とカソードルミネッセンス(電子線:4keV)を測定した。その結果、注入層にナノ粒子の形成を観測すると共に、いずれの試料においてもほぼ同じ波長の398nmにCL発光を観測した。最大強度のCL発光は熱処理温度600℃で得られた。又、266nm波長のレーザー光を用いたフォトルミネッセンスPL測定を行った結果、400nmにPL発光が得られた。今後は、PL発光強度の増加条件を調べると共にEL発光の可能性を探る。
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Research Products
(1 results)