2006 Fiscal Year Annual Research Report
液体超薄膜における構造力を利用した新しい超高精度非接触保持機構の提案と特性評価
Project/Area Number |
18656026
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松岡 広成 鳥取大学, 工学部, 助教授 (10314569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 茂寿 鳥取大学, 工学部, 教授 (40273883)
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Keywords | ナノマシン / 表面・界面物性 / 超薄膜 / 機械要素 / 超精密計測 |
Research Abstract |
液体超薄膜における液体構造力を利用した全く新しい超高精度非接触保持機構(非接触ナノ精度位置決め機構)について、(1)液体構造力の基本特性、および(2)微小機械要素のナノ精度位置決めに関する基礎研究を理論的・実験的に行うことを目的とする。液体構造力の基本特性研究については、液体の種類や固体表面形状による発生力の変化を理論的に明らかにすると共に、液体超薄膜の実験的特性評価手法を確立し、構造力の系統的解明を試みる。また、構造力を利用した微小機械要素のナノ精度位置決めシミュレーションを行い、その実現可能性を検討する。 平成18年度の研究実績は、以下の通りである。(i)液体構造力を理論的に求めるためのソフトウェアを開発し、種々の条件下での液体構造力を計算した。その結果、2面間距離に対して液体分子直径にほぼ等しい周期の振動的な力を得ることができた。これは、従来実験的に確認されていた性質と一致する。また、求めた液体構造力の数値データは、微小機械要素を超高精度に非接触保持するための数値シミュレーションに有用である。(ii)求めた液体構造力の数値データを用いて、液体中で球体が平面に衝突するときの挙動を数値シミュレーションにより求めた。その結果、2面間距離に対して振動的な液体構造力の影響により、球体の位置・速度が振動的に変化することを明らかにした。また、球体が平面に衝突する(接する)前に、液体構造力により球体が跳ね返される場合があることを示した。これらの結果は、固体表面近傍における液体の特異な性質である構造力を考慮して初めて得られるものであり、新奇性の高いものである。 以上のように、当該研究課題の遂行のために必要な基本的検討を推進した。
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