2006 Fiscal Year Annual Research Report
粒子の配向構造とその変化がせん断強度に与える影響の階層的メカニズムの解明
Project/Area Number |
18656032
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
阪口 秀 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (10235145)
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Keywords | SEM / マニュピレーション / マイクロせん断実験 / ナノモーター |
Research Abstract |
本年度は、主にSEM内マイクロせん断試験機の設計と製作、鉱物粒子運動の画像解析システムの構築を行った。 SEM内マイクロせん断試験機の設計では、SEM内での高真空環境下において、ステージ上での微粒子集合体のマニュピレーションを実現する手法について検討した。当初、現有施設であるキーエンス社のSEM(リアルサーフェスビュー)内で全て閉じた系としてせん断試験を行う方法を最初に検討し、制御系の内装、デーダロガーの内装、せん断試験機そのものを全て顕微鏡内に納める設計を種々行ったが、ステージサイズなどの制限からどうしても無理であると判断された。そこで、制御系、データロガーなどは顕微鏡外部に設置し、せん断実験を外部からの遠隔操作とすることにした。また、ステージ上での微粒子のせん断は2方向からの境界板の移動によって行うこととし、高真空環境でもナノスケールでコントロールできる駆動装置の導入を検討した。数社の製品を比較検討した結果、最も安価で安定したアドサイエンス社から提供されるナノモーターを購入した。このナノモーターは、圧電素子によって1シグナル5ナノメートル程度の微小変位制御が可能で、外部コントローラーによって変位パターンのプログラミングが可能である。また、微小粒子のマイクロせん断実験は変位速度の影響を大きく受けることが予測されるため、本来のナノモーターの機能には設定されていない超低速で長時間に渡る変位制御が可能かどうかの基礎実験を行った。その結果、パルス信号の時間間隔を伸ばすことで平均的に超低速でも動作することが確認された。なお、これら一連の遠隔コントールにはSEMのライトポートを利用した配線を施し、安定したマニュピレーションが実現されることを確認した。 また、鉱物粒子運動の画像解析には、現有の画像解析ソフトのほか、ウエーブレット解析による手法も検討した。
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