2007 Fiscal Year Annual Research Report
粒子の配向構造とその変化がせん断強度に与える影響の階層的メカニズムの解明
Project/Area Number |
18656032
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
阪口 秀 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (10235145)
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Keywords | 粒子 / 幾何学 / 力学 / 配列 / 不均質性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、顕微鏡下における粘土鉱物の運動観察と、二つのスケールでの粘土のせん断試験シミュレーションから、その相互関係を数量化し、粒子の配向構造とその変化が様々なスケールにおけるせん断強度に影響する階層構造的メカニズムを明らかにすることにある。本年度は顕微鏡下での粘土鉱物の運動観察のための装置開発を進めた。 昨年度までにキーエンス社の低真空モードで観察が可能な電子顕微鏡(SEM)の鏡筒内のステージ内に、ナノモーターを用いた自走式のせん断試験装置を設置したSEM内マイクロせん断試験機の開発を行ってきた。これを用いて、せん断によって粘土鉱物の配列が時々刻々変化する様子を直接観察した。その結果、どれだけ低真空のモードでも、真空引きによる温度低下によって粘土の硬化程度が時々刻々変化し、その影響の方が実際のせん断抵抗よりも大きくなってしまい、安定した力学データが得られなくなることがわかった。これに加えて、電子線による粘土粒子へのチャージアップの影響も大きく、SEM内マイクロマニュピュレーションについての多くの専門家と検討した結果、SEMを用いることを断念せざるを得ないと判断し、他の観察方法を検討した。具体的には、SEMの代わりに、光学顕微鏡でありながら5000倍程度の倍率の得られるデジタル顕微鏡(所内別予算で既に購入済み)の下で、これまで開発してきたまいくろせん断試験を用いた実験を行うことにした。このマイクロ試験によって得られる連続デジタル顕微鏡画像を画像解析することで、せん断試験中の粘土鉱物の運動を個別に追跡することが可能となる。
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