2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
巨 陽 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60312609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
燈明 泰成 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (50374955)
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Keywords | フェムト秒レーザ / 光音響効果 / ギガヘルツ超音波 / 開口合成 / 顕微鏡 / シリコン / チップサイズパッケージ / 非破壊検査 |
Research Abstract |
本研究では、フェムト秒パルスレーザ光とバルクシリコンとの局所的相互作用を解明し、光により音を発生する光音響効果を利用して、独自の発想に基づき、ギガヘルツレーザ超音波顕微鏡という新しい技術を開発する。レーザ光によるシリコン中のピコ秒パルスギガヘルツ超音波の発生および検出技術を世界に先駆けて開発することにより、ピコ秒超音波パルスの超高時間分解能を利用して、開口合成技術により画像の再構成を行い、独創な超高分解能レーザ超音波顕微鏡技術を開発する。さらに、チップサイズパッケージのチップとアンダーフィル間のはく離やチップとバンプ間の微小き裂の検出を実現し、チップサイズパッケージの非破壊技術が未だ確立されていない状況を打破して、次世代の半導体デバイスの新規非破壊検査技術を提供する。本年度は以下の実績を得た。 1.シリコンにおけるギガヘルツレーザ超音波の発生および検出 IC用シリコン基板を用いて、チップサイズの試験片を作製し、ギガヘルツレーザ超音波の発生および検出を行った。レーザ光源は、現有の設備であるフェムト秒パルスレーザを用いた。ポンプ・プローブ法を利用して、ポンプ光によりシリコン試験片にギガヘルツの超音波を励起し、遅延されたプローブ光によりシリコン表面の変位を検出することにより、試験片底面から反射された超音波の計測に成功した。 2.ギガヘルツレーザ超音波の最適化 サニャック干渉計の原理を利用して、共光路干渉検出システムを構築することにより、光路中の不要な振動を消去し、高精度な信号計測を実現した。また、フェムト秒ハーモニックジェネレータを用いて、波長395nmの第二高調波を発生させ、波長790nmの基本波のそれぞれを使用することによって、ポンプ光とプローブ光を完全に分離することを実現した。
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