Research Abstract |
本研究の目的は,CCDに記録された光情報(複素振幅)を用いて,光路上の任意の場所の光情報の変化を検出する新しい方法「三次元空間光波位相の超高精度検出法」を提案し,それを用いた新しい3次元CT法を開発することである.本年度は研究目的を達成するために,次の研究を行った. 1.提案手法の原理確認 本方法は,Windowed PSDHIのようにフレネル回折積分(フーリエ変換が入ってくる)を行わず,1画素ごと単独に,ホログラムから物体までの距離で決まる位相変化だけを計算する手法である.この原理をシミュレーションや実験により確認した.従来のフレネル変換を用いた計算ではなく,位相変化のみを積分することで再生像を得ることを実験的にゃこなった.その結果,再生像を得ることができたが,多くの計算時間が必要(240×240画素で19分程度)であるため,全画素に対して計算を行ったのではなく,一部分について再生の計算を行った.変位計測に適用した結果,どちらの手法もほぼ同様の分解能が得られることが確認された. さらに,Windowed PSDHIを適用した場合,64分割の窓関数を掛けた場合は,提案手法の方が標準偏差の値が半分以下になり,分解能よく計測できることがわかった. 2.精度や適用限界の検証 理論や実験やシミュレーションにより,フレネル変換を用いる計算法において,画素数と計算時間の関係,窓の数や大きさや平均化の重みの係数と精度の関係を調べ,適用限界を検証した.位相変化のみを積分する方法の検証は来年度に行い,それぞれ比較する. 3.実験装置の製作と実験による確認 コンパクトにで光学系内で相対的振動がおこらないような光学装置を設計製作した.
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