2006 Fiscal Year Annual Research Report
エバネッセント・マルチフォトンプローブによる超精密平坦加工面のナノ欠陥高速計測法
Project/Area Number |
18656041
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 哲 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (30283724)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高増 潔 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (70154896)
|
Keywords | エバネッセント光 / 超精密平坦加工面 / ナノ欠陥 / 欠陥計測 / マルチフォトンプローブ |
Research Abstract |
本申請研究は,近接場光計測技術の特徴である高分解能計測特性と遠隔伝搬光計測技術の最大の利点である面内一括並列処理特性を高度に融合することによって,(従来近接場光計測技術で不可欠な機械的検出プローブの近接プロセスを伴わずに),約50nmの解像分解能を有しつつ,約100μm四方の領域を一括計測可能な,全く新しい光学的超精密加工平坦面欠陥計測技術の確立を目的としたものである.平成18年度は,以下の三大要素技術を確立した. 1.エバネッセント・マルチフォトンプローブ生成・ナノ欠陥散乱シミュレータの構築 FDTD(Finite Difference Time Domain)法に基づいて構築した近接場領域時系列電磁場解析シミュレータに基づき,エバネッセント・マルチフォトンプローブの計算機内生成および,プローブ内に存在するナノ散乱体からの遠方散乱場を解析可能なシミュレータを構築した. 2.微弱散乱光結像イメージ群の高解像複合アルゴリズムの構築 前項で開発したシミュレータで生成されたマルチフォトンプローブをナノシフトさせ得られる複数の散乱光結像画像から,一枚のナノ計測像を構成するアルゴリズムを構築した.具体的には,求めるべき界面上に散乱パラメータを未知数として設定し,回折限界に支配される遠方結像分布を未知数のマトリックスの形で記述する.ナノシフトすることで得られる冗長マトリックスから,逐次近似的に解を得るアルゴリズムの開発を行った. 3.エバネッセント・マルチフォトンプローブ生成技術の検討 前項の理論的知見に基づき,TIR全反射プリズムを用いたエバネッセント・マルチフォトンプローブ生成基礎光学系を構築し,実験的に,エバネッセント・マルチフォトンプローブの生成技術の検討を行った.低分子量ポリマー型可視域光硬化性樹脂を利用することで,本来分布自体の直接評価は困難なエバネッセント場を可視化することに成功した.
|