2006 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビーム照射と化学エッチングを併用した3次元微細構造創製法に関する研究
Project/Area Number |
18656045
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森田 昇 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (30239660)
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Keywords | 集束イオンビーム / 化学エッチング / 単結晶シリコン / KOH / フッ酸 / ドーズ量 / イオンエネルギ |
Research Abstract |
本研究は,集束イオンビーム(FIB)照射と化学エッチングを併用した3次元微細構造形成について検討した.FIB照射を行った単結晶シリコンをKOHやフッ酸でエッチング処理すると,照射部のエッチングレートが大きく変化する.これを応用することで,高さ数十〜百nmの微細構造を形成できる.照射条件によりこの作用を変化させることで,3次元微細構造を形成する手法について検討した. エッチング液としてKOHを用いて実験を行い,照射条件がマスキング作用の強弱へ及ぼす影響について検討した.FIB照射のドーズ量,イオンエネルギにより照射部のマスキング作用の強弱が変化することがわかった.そのエッチングレートの違いは,照射部のマスキング作用が消滅するまでの時間差によって生じる.また,シミュレーションとの比較を行った結果,照射条件によって生じるエッチングレートの変化は,結晶欠陥の分布・密度の変化と良い一致を示した.また,エッチング処理の温度を変化させて実験を行った結果,エッチング液の温度を高くすることで,非照射部と大きなエッチングレートの差を得ることが可能であり,これを応用することで高能率に微細構造を形成できることがわかった. エッチング液としてフッ酸を用いて実験を行い,照射条件がエッチング加速作用へ及ぼす影響について検討した.これより,FIB照射のドーズ量,イオンエネルギによってエッチング加速作用が変化することがわかった.この作用は,結晶欠陥の分布・密度の変化と良い一致を示した. 今後はこれらの結果を応用した3次元微細構造形成法について検討するとともに,そのメカニズムについて検討を行う.
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