2007 Fiscal Year Annual Research Report
集束イオンビームと化学エッチングを併用した3次元微細構造創製法に関する研究
Project/Area Number |
18656045
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森田 昇 University of Toyama, 理工学研究部, 教授 (30239660)
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Keywords | 集束イオンビーム / 化学エッチング / 単結晶シリコン / KOH / フッ酸 / ドーズ量 / イオンエネルギ |
Research Abstract |
本研究は,集束イオンビーム(FIB)照射と化学エッチングを併用した3次元微細構造形成について検討した.FIB照射を行った単結晶シリコンをKOHやフッ酸でエッチング処理すると,照射部のエッチングレートが大きく変化する.これを応用することで,高さ数十〜百nmの微細構造を形成できる.照射条件によりこれらの作用を変化させることで,3次元微細構造を形成する手法について検討した. エッチング液としてKOHを用いて実験を行い,3次元微細構造形成の高能率化について検討した.FIB照射の照射角度を7°に設定することで,照射イオンのチャネリング効果を抑制することができる.これを利用することで,照射部に密度の高いアモルファス相を形成することが可能であり,耐エッチング性の強いマスク層の作製が可能であった.また,エッチング処理温度を高くすることによって,非照射部で大きなエッチングレートを得ることができる.これを応用することで,微細構造を高速に作製できることを明らかにした.一方,温度が低い場合,マスク層の選択比は大きくなることから,高い微細構造を形成することが可能となる.また,エッチングの進行にともない,微細構造の幅は小さくなる.この傾向は,エッチング処理温度に依存しない.このことから,高い微細構造を形成する場合には,幅の変化量を考慮した上での照射領域の設定が必要であることを示した.またエッチャント濃度を低くすることで,マスク層の選択比は大きくなり,小さなドーズ量で高い微細構造を形成することができることを示した.以上の結果より,単結晶シリコンに高能率に3次元微細構造を形成する手法を明らかにすることができた.
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