2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノワイヤ薄膜による超撥水および超親水の実現とマイクロ/ナノ流路の作成
Project/Area Number |
18656054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大前 伸夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木之下 博 神戸大学, 工学部, 助手 (50362760)
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Keywords | カーボンナノチューブ薄膜 / 高耐摩耗 / 超撥水 / マイクロトライボロジー / 超親水 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(Carbon-Nanotubes : CNT)は1991年に発見された新炭素系材料で、グラファイトのシートを筒状に巻いた極細チューブであり、グラファイトの六員環、sp2結合で形成された筒状構造物である。グラファイトは元来疎水性であるうえ、CNT表面は繊維状であることからその表面は分子レベルで凹凸が存在する。本申請者らはCNTが非常に高い撥水性を有することを明らかにしてきた。また、CNTはTop-downではなく、Bottom-up的に成長するため、基板上に膜形成を行う場合、触媒の配置によってCNT自体の密度を制御することが可能である。それゆえ、パターニング等を用いてナノ/マイクロオーダー触媒の制御、量産を行い、そこにCNT薄膜を生成すれば、容易にCNT薄膜を作製することができる。また流量の制御はCNTの幅や高さによって可能であるので、CNTのマイクロ流路への応用を追求した。本研究ではメタルマスクと熱CVD(Thermal chemical vapor deposition)法によるCNT薄膜流路作成を行い、マイクロピペットを用いた水導入試験によりCNTのマイクロ流路としての可能性を調べた。形状は直線、分岐、合流、連続屈曲、フェルマー螺旋形状流路を作成した。その結果、いずれもメタルマスクの形状を転写性よく反映したCNT流路の作成に成功した。開発した圧着装置により水を導入したところ、CNTの成長高さの違いや機械的強度の欠如、またグラファイト状物質の流路底面の付着などの要因により、水の導入が困難な場合が時折見受けられた。しかしこのような問題点はCNT薄膜の生成条件や水導入装置の工夫により改善できることを確認した。
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