2006 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫型人工飛翔体を目指した羽ばたき飛行安定性・操縦性の研究
Project/Area Number |
18656056
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
劉 浩 千葉大学, 工学部, 教授 (10342875)
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Keywords | 生物・生体工学 / 流体工学 / 医療・福祉 / 生体生命情報学 / 医工学 |
Research Abstract |
平成18年度は主に以下の研究項目を実施した。 1)「生物型飛行の力学シミュレータ」で開発した流体力学シミュレータと胴体・羽のダイナミクスシミュレータを融合させ、羽ばたきによる静止飛行・前進飛行のような3自由度をもつ自由飛行を再現できる統合力学シミュレータを完成させる。また、昆虫型プロトタイプモデルと鳥型プロトタイプモデルを構築し各々の静止飛行・前進飛行の運動モードにおける空力特性及び安定性を定量的に評価できるようになった。 2)本シミュレータに関する基本的なプログラム開発を千葉大劉研究室にて完了し、理化学研究所スパコンに装着・調節し大規模なシミュレーションを実施できるようになった。またサイズ数cmの昆虫型人工飛翔体を目指すため、大型昆虫蛾と小型鳥ハチドリのプロトタイプ幾何学モデルと運動学モデルの構築と羽ばたきによる静止飛行の予備計算を実施した。さらに、スズメ蛾モデルを用いた前進飛行の空気力学と静的安定性及び動的安定性の数値解析を行い、本羽ばたき飛行の空気力学及び安定性解析を統合した、本計算システムの妥当性を確認した。一方、今後昆虫型飛翔体の飛行性能や制御への応用を目指した、小型羽ばたき機をも製作した。 3)回転翼を有する小型飛翔体に着目し,サイズ15センチ以下の回転翼の空気力学性能を計算流体力学的手法により解析・評価を施した.本研究では昆虫や小鳥サイズのミニヘリ設計指針の創出を最大な目標とし,本研究室で開発した「生物型飛行の力学シミュレータ」を用いて生物の翼形状を有する回転翼の空気力学性能を系統的に調べた.その結果,小型回転翼飛翔体の非定常な流体力学現象の生物羽ばたき飛行との類似性,最適翼形状やアスペクト比,レイノルズ数効果や運動効果等のような設計指針となり得る多くの知見を得ることができた。
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