2006 Fiscal Year Annual Research Report
サイクロン減速機内のピン抜けのメカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
18656073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末岡 淳男 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (80038083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 卓見 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (40274485)
松崎 健一郎 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (80264068)
劉 孝宏 大分大学, 工学部, 助教授 (60230877)
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Keywords | 安定性 / 接触問題 / 摩擦 / 動的挙動 / ピン抜け現象 |
Research Abstract |
サイクロン減速機の歯車のたたきによる衝撃によって,減速機内に焼きばめされているピンのほとんどが徐々に抜け出る現象について,実験を行った.実験装置は実機と同寸法とし,金属棒をボルトで締めて焼きばめ風に固定し,金属棒の他端をハンマーで強く打撃することによって行った.打撃回数は,1階の実験でおよそ2000回とした.実験から以下のことが明らかになった. 1.金属棒が強く締め付けられていても,金属棒は容易に抜けることができる. 2.しかし,金属棒が緩く締め付けられると,抜けは生じない. 3.金属棒と固定穴との間の表面粗さが粗いと抜けは生じやすい.表面がなめらかなときは,抜けは生じにくい. 4.抜けの過程は,最初は抜けない期間もある.抜けてくると,打撃数の二乗に比例する傾向にある. 5. 1回の実験で,金属棒は20〜30mm重力に逆らって突き出てくる. 6.抜けのメカニズムとして,以下のことが考えられる. (1)金属棒が打撃によって曲げ振動を生じ,曲げの外側の金属棒と固定穴の問にはマクロな滑り摩擦が発生する.一方,曲げの内側の金属棒と固定穴の間には,スティックが生じる.そのため,金属棒は固定穴に沿って,重力に逆らって突き出してくる.焼きばめの程度が弱いと摩擦力が小さく,大きいと摩擦力が大きい. 以上の実験から,減速機のピンが抜けないようにするためには,ピンの表面粗さを少なくし,焼きばめの程度を強くすることが必要であることが判明した.
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