2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁界誘導ドラッグ・デリバリー・システム用磁界配位と超伝導マグネットシステム
Project/Area Number |
18656083
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
雨宮 尚之 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10222697)
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Keywords | 超伝導 / ドラッグデリバリー / 磁性微粒子 / 薬 / 流体解析 / 磁界解析 |
Research Abstract |
近年、患部に効果を及ぼす薬剤の濃度を高めるための画期的な手法としてドラッグデリバリーが注目されている。ドラッグデリバリーを薬剤する機能の内、薬剤に指向性を与え目標患部に誘導する機能をターゲティングといい、本研究では薬剤をコーティングした磁性微粒子を想定し、超伝導マグネットを用いた磁気誘導が可能であるかの検討を行った。人体内部の二分岐血管における磁性微粒子の片側血管への誘導と、患部血管壁への磁性微粒子の滞留の二つを誘導目標としてコンピュータシミュレーションを行った。すなわち、血流については乱流を考慮した流体解析、超伝導マグネットが発生する磁界については3次元磁界解析を行い、磁性微粒子が血流から受ける力と磁界から受ける力を求めて、粒子軌道を計算した。 解析対象とした血管の直径は2mm、血流の速さは200mm/sとした。血管から50mm離れた位置に電流密度が2×10^8A/m^2,5×10^8A/m^2の円筒型の超伝導コイルを置いて解析を行った。磁性微粒子の直径は400nm-1μmとし、その飽和磁化は0.5T-2Tとした。二分岐血管における誘導では、マグネット電流密度と磁性微粒子の飽和磁化を適当に選べば、解析の対象とした全ての直径の粒子において、誘導先の血管の枝へ流れ込む粒子数を約3割程度増やす可能性を見出した。また、患部血管壁に滞留では、約50mmに渡って血管を流れる間に、ほぼ100%の粒子を血管壁に滞留させる可能性を見出した。
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