2006 Fiscal Year Annual Research Report
高濃度オゾン酸化法による酸化物ハーフメタルの形成と高性能トンネル接合膜の作製
Project/Area Number |
18656095
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉村 哲 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (40419429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 秀文 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (50262853)
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Keywords | 強磁性トンネル接合 / ハーフメタル強磁性体 / 高濃度オゾン / 酸化活性 / 酸化過程 / 結晶配向制御 / アモルファス下地層 / バッファ層 |
Research Abstract |
本研究では、キュリー温度が高くかつスピン分極率が高いハーフメタル材料として知られているフルホイスラー系の規則合金(X_2YZ : X=Co, Fe, Y=Mn, Cr, Z=Ge, Siなど)や特にマグネタイト(Fe_3O_4)に注目し、それらを用いた強磁性トンネル接合(MTJ)を作製することを目的とした。Fe_3O_4の場合は、金属Feスパッタ時におけるウエハ近傍への高濃度オゾンフロー、更にはそのオゾンへの紫外光照射を行うことで、平坦かつストイキオメトリックなFe_3O_4強磁性層の直接形成を目指している。最終的には、非単結晶基板上に下地層やバッファ層を介して、結晶質MgO膜を絶縁層に用いた、Fe_3O_4もしくはX_2YZ(001)/MgO(001)/Fe_3O_4もしくはX_2YZ(001)エピタキシャル積層膜を作製し、高性能Gbit級磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の実現に必要不可欠な、高MR比・低RA・MR比の低バイアス電圧依存性を有する、高性能MTJの作製を図る。 本年度は、第一段階として、金属薄膜の高濃度オゾン酸化過程、並びにFe_3O_4もしくはX_2YZ薄膜の(001)配向化のためのアモルファス金属下地層・Crバッファ層に関する検討を行った。オゾン酸化はプラズマ酸化の場合に比較して、酸素との反応により瞬時に形成される酸化膜厚(表層部)よりも酸素の拡散により形成される酸化膜厚(膜内部)が格段に厚いことが判り、その結果トイキオメトリックな酸化物が形成され易いことが判った。これにより、オゾン酸化法によるストイキオメトリックなFe_3O_4強磁性層の直接形成の可能性が示唆された。また、アモルファスNi-Ta下地層を用い、Crバッファ層の製膜条件を最適化することにより、Crバッファ層が(001)配向化した。これにより、Fe_3O_4もしくはX_2YZの(001)配向膜の形成の可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)