2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656105
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山本 節夫 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30182629)
|
Keywords | 水素 / センサ / 窒化アルミニウム薄膜 / バルク弾性波 / 質量センサ |
Research Abstract |
本研究では、窒化アルミニウム(AlN)薄膜を用いた薄膜バルク音響共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)の高周波(GHz)帯での鋭い共振特性を活用して、高感度な水素ガスセンサを開発することを目的とした。平成19年度には以下の成果を得た。 1.FBARを用いたセンサの性能実証 電界と構造歪み・応力を連成させた有限要素法(FEM)解析シミュレータを用いてFBARの極微量質量センサとしての調査を行ない、(1)上部電極の形状を五角形及び円形にすることで、面内方向の共振によるスプリアスが抑制され、大きなQ値788が得られること、(2)上部電極に極微小質量が付加すると、共振周波数は5.96Hz/pgの割合で低周波側にシフトすること、などの知見を得た。 2.残留ガスの影響の除去 FBARで使用するAlN薄膜を、電子サイクロトロンサイクロトロン共鳴マイクロ波プラズマを活用したスパッタ装置を用いて作製した。弾性体としてのAlN薄膜は、002面が高結晶配向していることが望ましく、その結晶性は残留ガス量の影響を受ける。本スパッタ装置の到達圧力を10^<-5>Pa以下とすることによって、室温成膜後のas-depoにおいて、002面が優先配向し、ロッキングカーブによる結晶配向性の評価において半値幅が0.38degreeという優れたAIN薄膜を作製できた。 3.総合的な機能の改善と他のセンサ応用の準備 FBARの共振周波数の読取り分解能の向上と、温度変化によるドリフト現象の抑圧を図り、24pg程度の微小質量変化を検出できるようになった。この結果から、本センサは上部電極に水素感応膜であるPd薄膜を付着させることによって高感度水素センサとして応用可能なだけでなく、ナノメータオーダで検知可能なリアルタイム膜厚センサへの応用も可能である。
|
Research Products
(3 results)