2006 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネルデバイスを用いたジャイレータ回路構成とモノリシックインダクタの実現
Project/Area Number |
18656107
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
須原 理彦 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 助教授 (80251635)
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Keywords | 共鳴トンエルデバイス / ジャイレータ / モノリシックインダクタ / ミリ波 |
Research Abstract |
ワイヤレス通信システム・機器などに用いられるマイクロ波モノリシック集積回路(MMIC)において,小型平面型インダクタは,インピーダンス整合,高周波信号のチョーク,フィルタ,電圧制御発振器などの構成に必要不可欠な受動デバイスであることは周知である。現状では金属薄膜をパターニングしたスパイラル型インダクタが実用化されている。ところが,上記スパイラルインダクタの動作限界は、1)動作周波数上限が数GHz程度,2)Q値が低く10以下,3)占有面積が大きく通常数百μm四方以下の微細化困難,という現状に直面している。これらはスパイラル形状の構造と材料に起因する本質的に解決困難な問題を内包しており,MMICのミリ波帯,サブミリ波帯への高周波化,高集積化に対しては抜本的な新規インダクタの開発が急務である。そこで本研究では,次世代の超広帯域(UWB)通信やミリ波・サブミリ波通信などの高周波ワイヤレスシステムに資する新しい原理・構造に基づいたモノリシックインダクタを,共鳴トンネルデバイスの微分負性抵抗特性を用いた能動型ジャイレータを骨組みとして提案し有効性を実証することを目的としている。 ジャイレータ回路は本研究で提案しているアクティブジャイレータは2ポート素子として微分負性抵抗を生じる素子(ここではサブミリ波帯までの動作が原理的に可能な共鳴トンネルダイオードを想定)およびそれらをスルーラインで連結するマイクロストリップ伝送線路,およびFETをソースコモンとして並列接続した2端子対回路構成として実現しモノリシック集積化を目指すものである。ジャイレータはイミタンス変換素子として機能するため,外部にキャパシタンスを接続することによりインダクタを実現することが可能である。ここではGaAs系共鳴トンネルダイオードと高移動度電界効果トランジスタの寄生素子成分も考慮した高周波小信号等価回路を用いて解析を行い,ミリ波帯域まで最大Q値1000程度で動作可能なモノリシックインダクタが構成可能であることを示した。
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Research Products
(1 results)