2006 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタルゴーストモデルに基づくマルチメディア用電子透かし方式に関する研究
Project/Area Number |
18656111
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小田 弘 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (30195739)
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Keywords | ディジタルゴースト / 電子透かし / ケプストラム情報 / 硬判定相互相関関数 / 拡散系列 / カラー画像 / 色空間 / マルチメディア |
Research Abstract |
本研究はディジタルゴーストモデルに基づくマルチメディア用電子透かし方式を新たに提案し、その基本特性を理論と実験の両面から確認することを目的としている。本研究で得られた新たな知見等の成果は次の通りである。 (1)不可視型ゴースト画像(ディジタルゴースト画像)のケプストラム情報から遅延検出を効果的に行う方法について基礎検討を行った。そして、2種類のディジタルゴーストモデル(単極性・両極性ゴーストモデル)のケプストラム検出係数を定式化し、基本性質を調べた結果、両極性ゴーストモデルが透かし検出に適していることがわかった。 (2)次に、上記(1)で調べた性質を利用したディジタルゴースト透かし方式における、透かし情報の検出時の信頼性について基礎検討を行った。まず、従来の相互相関関数を離散化したもの(硬判定相互相関関数、HCC)を新たに定義した。次に、二項分布を仮定した場合の統計的な閾値をHCCに設定して透かし検出を行う方法を提案し、検出結果の信頼性が事前に計算によって求められることを示した。 (3)拡散系列を利用した相関型ディジタルゴースト透かし方式の基礎検討を行った。まず、モノクロ画像用のディジタルゴースト透かし方式の基本アルゴリズムを示した。次に、このアルゴリズムをカラー画像に効果的に応用するために、RGB色空間からYCbCr色空間へ座標変換した後、上記の基本アルゴリズムに基づいて透かし情報を埋め込む方式を提案した。そして、輝度成分(Y)と色差成分(Cb, Cr)への埋め込み実験から、輝度成分に埋め込みを行った方が白色雑音付加、JPEG圧縮の各攻撃に対して良い耐性を持つことがわかった。 (4)研究成果の一部を学術的な会議で発表すると共に、電子透かし技術および拡散系列に関する最新の資料を収集するために外国旅行(韓国)を行った。
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