2006 Fiscal Year Annual Research Report
経験知の構造モデルに基づくマネジメント教育プログラムの開発
Project/Area Number |
18656122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小澤 一雅 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (80194546)
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Keywords | 経験知 / マネジメント教育 / ケースメソッド / 映像 / 構造化 |
Research Abstract |
本研究は、経験知の構造モデルに基づくマネジメント教育プログラムの開発を目的とし、本年度は、以下を実施した。 (1)国内外の建設現場の調査とマネジメント教育に必要な課題の抽出 国内外の複数の建設現場を対象に、マネジメント教育に必要な課題を抽出するための調査を実施した。経験豊富な所長を抽出し、これまでの経験を含めて重要と思われる判断や意思決定、その判断に至ったプロセス、実践における課題等をその発生頻度を含めて調査した。 さらに、ヒアリング調査等の結果を分析し、マネジメント教育に必要な課題を抽出した。課題の重要性およびその発生頻度等を考慮し、現場で容易に身につけることが難しい重要課題を優先度をつけて抽出した。 (2)ビデオを用いたケースの作成と経験知の構造モデルの開発 抽出された課題の中からひとつのケースを選び、課題のビデオを用いて再現映像を作成した。香港におけるトンネル工事で発生した労働争議の問題をとりあげ、約20分の再現映像を作成した。 作成したビデオ映像を用いて、現場所長経験者に、その課題解決の考え方をヒアリング調査した。判断に至ったプロセスや課題解決の実践のプロセスから、その背後にある知識をうまく抽出することが重要であり、得られた知識の構造化を行っている。 (3)経験知の伝達手法の開発とケースを用いた教育効果計測手法の開発 構造化されたモデルを用いて、これを伝達する手法を開発する予定であり、さらに、ケースを用いた教育効果を計測する手法を開発する。設定された課題を解決するために必要な知識が教育前にどの程度保有しているか、ケースを用いた教育によってどの程度必要な知識が習得されたか、さらに、習得された知識を活用し実践できる能力がどの程度高まったかを計測できる必要がある。
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