2006 Fiscal Year Annual Research Report
電磁パルス発振-弾性波受振に基づくコンクリート内部鉄筋の新しい非破壊評価方法
Project/Area Number |
18656124
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 敏郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10224651)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 非破壊試験 / 電磁パルス / 弾性波法 / 鉄筋破断 / はく離 |
Research Abstract |
本研究では、鉄筋コンクリートにおける鉄筋腐食による鉄筋-コンクリート間のはく離状況や鉄筋破断を的確に評価するための新しい非破壊評価方法として、電磁パルスによりコンクリート表面から遠隔で鉄筋自身を振動させ【電磁パルス発振】、この振動により生じた弾性波をコンクリート表面でとらえる【弾性波受振】新しいタイプの手法の検討を目的とする。具体的には、A.鉄筋周辺のコンクリートはく離の検知方法、B.鉄筋破断の検知方法に的を絞って、本手法の適用可能性について検討する。本年度は、上記を達成するための基礎的な研究を実施し、以下の結果が得られた。 (1)鉄筋加振に用いる電磁パルス発生装置を試作し、コンクリート中に埋めこんだ鉄筋に十分な振動を生じさせるのに適した電磁パルスの条件について検討した。その結果、内部鉄筋の評価に有意な振動を得るための試験条件が設定できた。一方、弾性波受振については、AE計測装置を適用する手法が有効であることが明らかとなった。 (2)鉄筋コンクリート供試体で実験を行い、鉄筋周辺でのはく離などの周辺状況の違いがコンクリート表面で得られる弾性波の周波数特性に与える影響は小さいことが把握できた。 (3)鉄筋コンクリート供試体での実験で、埋設鉄筋のかぶりや直径などの条件を変化させて、はく離長さやはく離厚さが評価結果に与える影響について調べた。本実験の範囲内では、鉄筋のかぶりや直径は、鉄筋周辺状況の評価を行ううえで大きな問題とならないことがわかった。また、はく離長さが大きいほど、また、はく離厚さが大きいほど、鉄筋の振動により生じる弾性波エネルギーがコンクリートに伝播しにくくなることから、受振波の最大振幅値が小さくなることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)