2007 Fiscal Year Annual Research Report
音響伝播特性を用いた斜面地震の水分量センサーの開発
Project/Area Number |
18656132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内村 太郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60292885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東畑 郁生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20155500)
周郷 啓一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 技術専門職員 (90396771)
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Keywords | 自然災害 / 土砂災害 / 防災 / 音波探査 / 現地試験 / 弾性波 / ベンダーエレメント / 不飽和土 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、地盤中を伝わる音波(弾性振動)の伝播特性の変化を利用して、土壌水分量(飽和度)を推定する技術の開発を試みた。斜面防災において、法尻部に音波の発信機と受信機を数m〜数10m離して埋設し、その間の測線上の音波の伝わり方の変化を捉えることで、測線上のどこかが高含水比になったことが検知できれば、少ない機器で広範囲の斜面地盤内の土壌水分量を監視でき、効率的な警報システムに応用できる。 19年度は、土槽内に不飽和砂質土を詰めた模型地盤内で、弾性波の伝播速度と飽和度の関係を調べた。まず、模型地盤内で効率的に弾性波を発生させ、また受信できる素子を開発した。これには、圧電効果で電圧に応じて振動板がたわみ変形する圧電スピーカーに防水処理を施し、振動板が直接土と接触するように埋めるのが、効率がよいことが分かった。従来は、電圧に応じて軸方向に伸縮する圧電素子が一般に使われていたが、これでは変位が小さく、不飽和土中では減衰が大きいために振動が届かなかったが、本研究の方法はこの問題をある程度解決する方法の一つである。 この方法で発生する振動は、主にP波が受信センサーに伝わると考えられるが、小型土槽中の実験では拘束圧がきわめて低いために、伝播速度が遅く、また飽和度による速度の変化は、三軸供試体内の速度ほど顕著ではなかった。これは、前年度の三軸供試体での試験で、拘束圧が低いほど飽和度による速度の変化が小さくなる傾向にあったのと一致する結果である。
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Research Products
(2 results)