2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656137
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 聡 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (50272018)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 正樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90016519)
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
渡部 徹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10302192)
|
Keywords | 生物多様性 / GIS / 分布型水文流出モデル / 水温分布 / HSI |
Research Abstract |
試験流域として,宮城県1級河川の名取川を対象とした.既に当流域において開発されている水文モデルと水温推定モデルによって数値地図情報を付加した. 名取川流域において底生動物のサンプリングを行い,数値地図情報および,シミュレーションによって作成した調査地点の環境データと生物データの関係について考察を行った.結果から以下のことが理解された.分類群数,多様度指数と各環境因子の関係を重回帰分析により,分類群数は年平均水温と負の相関をもち,多様度指数は集水面積と正の相関,農地率と負の相関を持つ.群集相違度ついて,環境指標の差とクラスター分析を行った結果,名取川流域では種の組成により4つのグループに分けられた.さらに,グループ間の環境因子の分布状況から,標高,農地率が種の組成に大きな影響を与えていることが理解された.これは,重回帰式の説明変数とも一致した.γ多様性は,流域面積と強い相関があることが理解された.また,β多様性の大きさはγ多様性の大きさに準じて大きくなる. 名取市の調査によって得られた環境指標をパラメータとした生物の生息適正値のデータを,確率分布関数に近似し,名取川における生物の生息環境の評価を行った.確率分布型関数に近似した際の適合係数を比較することで,生物と環境指標ごとに最適な関数を決定した.離散的なデータを連続的な確率分布関数に変換することで,対象生物の選好の傾向の考察と,今後の調査で得られるデータの補完をすることが可能になった.次に,環境指標後との対象生物の選好を総合的に考察するために,得られた連続的な生息適正値のデータから対象生物ごとのHSIマップを作成した.これにより,流域全体における自然条件の差異による対象生物の生息適性値を推定した.
|
Research Products
(4 results)