2006 Fiscal Year Annual Research Report
建築物の最少観測を用いたノイズ・ロバスト型次世代構造ヘルスモニタリング技術の開発
Project/Area Number |
18656156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹脇 出 京都大学, 工学研究科, 教授 (20155055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉富 信太 京都大学, 工学研究科, 助手 (30432363)
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Keywords | システム同定 / 常時微動 / ヘルスモニタリング / ノイズ特性 / フーリエ変換 / 地震観測 / 加速度計 |
Research Abstract |
本研究の目的は、入力情報や観測情報に含まれるノイズの影響を受けにくい「ノイズ・ロバストな同定技術」を開発し、「部材や層などの物理パラメターを限定された情報から直接同定する新しい方法」を提案することにある。本年度に得られた主な成果は以下の通りである。 1.ノイズに対して頑強な同定技術の基礎理論を展開した。特に、現在までは、定常ランダム入力としての地表面加速度と2階床の加速度のいずれか一方のノイズだけが除去可能な方法しか展開されていない。一方のノイズレベルが他方に比べて高い場合には、この理論でも比較的高精度で同定可能であるが、両方のノイズレベルとも大きい場合には、現時点では両者の観測データの一方にのみノイズが存在するときの理論を交互に繰り返し利用するしか方法が存在しない。地表面加速度と2階床の加速度の両観測データのノイズ間の相関に着目し、両観測データのノイズの影響を同時に除去可能な理論の基礎部分を開発した。 2.常時微動においてはノイズレベルが信号レベルに比べて相当大きくなるため、そのような場合にも高精度かつ効率よくノイズが除去可能な方法が必要である。新規に購入した常時微動観測装置を用いて、剛性や減衰の値が別途明らかとなっている実在建物および模型の観測を行い、本手法の妥当性を検討した。実在建物としても免震建物では、基礎からの入力に加えて、建物内部に存在すると考えられる振動源からの入力が存在するため、基礎からの入力だけを想定していたこれまでの理論を拡張する必要があることが明らかとなった。
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