2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656157
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
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Keywords | 建築教育 / 構造実験 / 油圧ポンプ / 体感 / ものづくり |
Research Abstract |
鉄骨梁の曲構造・材料実験はものづくりを理解して建設実践で働こうという学生を養成する上で不可欠であるのに、それを支える人的基盤や物的基盤が弱ってきているというゆゆしき事態を打ち破ることを命題に、本研究では、学生は実際の実験場にはいないけれども、別の場所から構造実験に参加し、さらに実際の載荷・加力に直接従事できるという「仮想構造実験施設」を試作する。遠隔地にいながらも学生達に臨場感を与える「仮想構造実験施設」では、視聴覚に加えて触覚にも訴える必要があるとの認識から、学生達が集う「仮想実験揚」に「仮想油圧ポンプ」を設置し、学生がこれを操作することによって、「現実実験場」にある試験体に力を加え、また仮想油圧ポンプの手押しレバーを押し込むときに必要な「人力」を通じて、「現実実験場」で載荷中の試験体に作用している「カ」を、汗をかかせつつ体感させるという工夫を施す。 本研究は、平成18〜19年度の2年計画とし、平成18年度は「試作と評価」、平成19年度は「改良と再評価」に充当する。本年度は、次の仕組みを用いて仮想油圧ポンプを試作した。従来から用いられてきた油圧ポンプを用いることとし、その先に2つのチャンバーからなるアキュミュレータを設置、ポンプレバーを漕ぐことから1つのチャンバーに油を注入する。もう一方のチャンバーには空気コンプレッサーを用いて圧縮空気を注入するが、その圧力を現実実験揚から送られてくる試験体の荷重値に比例するように調節する。試作したシステムを用いて、鉄骨骨組に対する載荷実験を模擬し、その適用性を評価するとともに、次年度で改良すべき課題を同定した。
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