2006 Fiscal Year Annual Research Report
構造物を利用した力学エネルギー変換による発電の研究
Project/Area Number |
18656159
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Research Institution | 鹿島建設株式会社 研究・技術開発本部技術研究所 |
Principal Investigator |
丹羽 直幹 鹿島建設株式会社 研究, 技術開発本部技術研究所・先端メカトロニクス, 上席研究員 (60374021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
任 暁兵 独立行政法人物質材料研究機構, 材料研究所, 主幹研究員 (30343875)
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Keywords | 構造物 / エネルギー変換 / 圧電材料 / ドメイン変換 / モニタリング |
Research Abstract |
新原理(ドメイン変換)によるセラミクスの圧電材料について、母材、及びドーピング材の種類と比率をパラメータとして探索した。その結果、訛りを用いない環境に配慮した材料としてチタン酸バリウムにランタンをドーピングした材料を選定し、動的加力試験により特性を確認した。圧電効果は、圧力変動により発生する電荷を計測することで、材料の電気的な基本特性を把握した。実験結果では、単位加重あたりの電荷として、既往のチタン酸バリウム(文献データ152pC/N)の2倍以上(330pC/N)の大きな圧電特性が確認された。ただし、新原理による単結晶で確認された3〜4倍の圧電特性と比較して小さな増加に止まったのま、多結晶であることにより、周りの粒子がドメイン変換を拘束したためと推測される。 次に、既往の材料を用いた形状の異なる試験体による加力試験の結果から、試験体の厚さが厚い方が、同荷重においても変位の増加により電荷が大きくなることが確認された。 さらに、既往の圧電材料を用いた形状探索として、モニタリングのための電力供給を想定した検討を行った。例えば、コンクリート内部の中性かなど、部材内部の状態を計測するための電力供給を内部応力による圧電変換で行うものである。超小型のセンサを、外形寸法25mm程度の球状圧電デバイス内に内包して電力供給することが考えられる。本デバイスをコンクリート内に実際に埋込み、内部応力を模擬したコンクリート外部からの動的加力により、電荷が発生することを確認した。 上記の実験を通して、既往材料、新原理の圧電材料ともに、動的な加力を続けるうちに外周部からの破損が始まり、圧電効果の減少が確認された。これにより、本研究で用いる圧電材料は何らかの方法で拘束を与えることが重要であると考察される。 現在、モニタリング用デバイスに関する特許申請の準備中であり、今後論文発表を計画する。
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