2006 Fiscal Year Annual Research Report
室内空気汚染による人間健康被害のライフサイクルインパクト評価手法の開発
Project/Area Number |
18656165
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村上 周三 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40013180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂部 貢 北里大学, 薬学部, 教授 (70162302)
伊坪 徳宏 武蔵工業大学, 環境情報学部, 助教授 (90344150)
伊香賀 俊治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30302631)
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Keywords | 室内空気汚染 / 健康被害 / ダメージ関数 / DALY / シックハウス症候群 / 不確実性解析 / ホルムアルデヒド / トルエン |
Research Abstract |
1.実際の室内空気汚染による健康被害を有する患者を対象とした医学的調査と室内空気質に関する実測調査 医療機関にて実際に治療中の患者を対象とした室内空気汚染による健康被害の医学的調査を行った。室内空気汚染による健康被害を世界共通に診断できるQEESI(Quick Environmental Exposure Sensitivity Inventory)診断表を用いて点数評価し、さらに専門医による医学的診断を行った。これにより、類似した疾病を持つ患者別に分類ができ、室内空気汚染物質とシックハウス症候群等の健康被害の関係を得ることができた。また、実際の建築物における室内汚染物質濃度の測定と、住宅を模擬した実験室におけるカビやダニ等による微生物汚染(繁殖・飛散)の調査を行った。さらに、数値解析を用いて化学物質・微生物の挙動を解析し、室内空気汚染性状を解明した。 2.室内空気汚染による健康被害の障害の重度(DALY値)の検討 室内空気汚染による健康被害の障害の重度を、DALY(Disability Adjusted Life of Year)により評価した。生活への支障の度合いや身体的・精神的障害の重度、また障害の持続期間を併せて評価した。 3.室内空気汚染による健康被害のダメージ関数の算定 上記1)〜2)で得られた結果を用いて、室内空気汚染(ホルムアルデヒド、トルエン、NO_x、SO_x、SPM、)のダメージ関数を算定した。これより、室内化学物質の単位量排出あたりのダメージ関数は、同じ物質が屋外へ排出された際のダメージ関数より1000倍程度大きいということが示された。 4.不確実な要因の解明 室内空気汚染による健康被害は個人差が大きく不確実な要因が多いため、3)で算定した室内空気汚染のダメージ関数に対し不確実性解析を行い、算定までに用いられたデータの信頼性とばらつき等の精度を検証した。
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