2006 Fiscal Year Annual Research Report
高誘電率ナノ結晶化ガラスファイバーを利用した新規高分解能近接場光プローブの開発
Project/Area Number |
18656190
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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Keywords | ナノ結晶 / ファイバー / 化学エッチング / 結晶化ガラス / 第二高調波発生 / 近接場光プローブ |
Research Abstract |
本研究は、申請者の開発した高誘電率透明ナノ結晶化ガラスを利用して、エッチングおよび金属コーティング技術を確立し、高分解能を有する新規な近接場光ファイバープローブを作製することを目的とする。高誘電率のガラスファイバーあるいはナノ結晶化ファイバーを利用して新規な近接場光ファイバープローブを作製しようとする試みはこれまで全く報告されていない。今年度に得られた結果を以下に示す。 ○40BaO-20TiO_2-40SiO_2組成のガラス(BTSと呼称)をファイバー母材として選択した。融液からの引き上げ法により、直径が約100μmのガラスファイバーを作製した。引き上げ時の速度、融液の温度、粘度などの条件を検討し、断面が真円のファイバーが得られた。 ○BTSガラスファイバーを結晶化させ、Ba_2TiSi_2O_8ナノ結晶(100-200nm)から成る透明なナノ結晶化ガラスファイバーを作製した。作製した結晶化ガラスから第二高調波発生を確認した。オイル相にヘキサン、エッチング溶液に0.1wt%HF水溶液を用いたメニスカスエッチング法により、先端角が34°と80°のファイバープローブの作製に成功した。ファイバー径の制御、エッチングによる表面の荒れの制御、先端角と先端の曲率半径の制御には更なるエッチング条件の検討が必要である。なお、得られたナノ結晶化ファイバープローブから第二高調波発生が明瞭に観察された。 ○ナノ結晶量を密度変化から見積もり、ナノ結晶量とヘキサン/0.1wt%HF水溶液を用いたメニスカスエッチング法におけるエッチング速度を求めた。ほぼ完全にナノ結晶化したファイバーのエッチング速度は、0.2μm/minであり、ガラスのエッチング速度(0.6μm/min)と比べてかなり遅くなることを見出した。
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