2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリマープロテクトナノ粒子技術によるハイパフォーマンスコンポジット磁石の創製
Project/Area Number |
18656199
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 諭 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10171175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手束 展規 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (40323076)
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Keywords | ナノコンポジット / ナノ粒子 / フェライト / ポリマー / 共沈法 / アルコール還元法 |
Research Abstract |
【目的】高飽和磁化のソフト磁性相と高保磁力のハード磁性相をナノサイズで複合化させたナノコンポジット磁石が期待されている。本研究では、ソフト磁性を示すFe, Coとハード磁性を示すCoフェライトの両ナノ粒子を作製し、鎖状高分子または界面活性剤などのポリマーを用いて両ナノ粒子を分散・混合して、ハイコストパフォーマンスなナノコンポジット磁石粉末を作製することを目的とする。さらに両相間の交換結合を有効に働かせるため、フェライトナノ粒子の部分還元によってフェライト相がコア層、還元されたFeCo相がシェル層になったコアシェル型ナノコンポジット粒子の作製を試みる。これらの作製条件、磁気特性、組織形態との関係についても明らかにする。 【実験方法】(1)原料にFeCl3・6H2O, CoCl2・6H2O, NiCl2・6H2Oを用いてNiを添加したCoFe2O4ナノ粒子は共沈法を用いて作製する。(2)コバルトアセチルアセトナート(Co(acac)3)、溶媒をジオクチルエーテル、還元剤を1.2ヘキサデカンジオール、界面活性剤をオレイン酸、オレイルアミンを用いてCoナノ粒子をアルコール還元法にて作製する。(3)両粒子を所定量で混ぜ合わせることによってナノコンポジット化を図る。(4)得られたナノコンポジット粉末の磁気特性をVSMで測定し、組織観察をXRD、FE-SEM、TEMを用いて観察する。 【結果】得られた結果をまとめると以下のようになる。(1)30nm程度の粒径を持ち、飽和磁化σ_s=42.3Am2/kg、保磁力H_<cJ>=453.7kA/mなる磁気特性を有するCoNiフェライトナノ粒子が作製できた。(2)粒径30-40nmでss=155.5Am^2/kgのCoナノ粒子が作製できた。(3)Co粒子に11%CoNiフェライトナノ粒子を混合することにより、σ_s=115.8Am^2/kg、H_<cJ>=156kA/mなるナノコンポジット粉末が作製できた。
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