2006 Fiscal Year Annual Research Report
真空紫外レーザシステムによる大気圧非平衡プラズマ内の原子状ラジカルに関する研究
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18656214
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 勝 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (80242824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 成剛 名古屋大学, 大学院工学研究科, 研究員 (80397471)
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Keywords | 真空紫外吸収分光法 / 波長可変真空紫外レーザー / 酸素原子 / 大気圧非平衡プラズマ / 絶対密度計測 / クリーニングプロセス / プラズマ気相診断 / 誘電体バリア放電プラズマ |
Research Abstract |
波長可変真空紫外レーザを用いた大気圧非平衡プラズマ内の真空紫外吸収分光計測システムの構築、及び誘電体バリア放電による大気圧非平衡プラズマにおける原子状ラジカルの絶対密度計測を行い、下記の成果を得た。 XeClエキシマレーザ光を励起光とする2台の色素レーザシステムにより2波長のレーザ光を発振する。それらレーザ光をKrガスが封入された希ガスセル内に集光することで生じる2光子共鳴4光波混合過程を使用し、基底準位酸素原子の共鳴ラインが存在する130.2nm辺りにおいて、波長可変真空紫外レーザ光を発振し、この真空紫外レーザシステムを用いた大気圧非平衡プラズマ内の原子状ラジカルの絶対密度計測技術を構築した。この技術を用いて、ガラス基板のクリーニングやエッチングプロセスに用いられる誘電体バリア放電による大気圧非平衡プラズマ内部の基底状態酸素原子の絶対密度計測に初めて成功した。この計測結果の一例としては、基板クリーニング等に用いられる酸素/窒素混合ガスを用いた大気圧非平衡プラズマにおいて、投入パワーを一定とした条件下では、窒素と酸素混合比率を変化させた場合、酸素ガスを少量添加することで、基底準位酸素原子の絶対密度は、10^<13>cm^<-3>オーダーと急激に上昇するが、その後は緩やかに上昇することが判明した。この大気圧非平衡プラズマを用いたクリーニングにおいては、極めて少量の酸素ガスを窒素ガスに添加した混合ガスを用いることで、優れた特性を示すことが判明している。この特性には、基底状態の酸素原子のみならず、オゾン、プラズマからの紫外光など様々な要因が複雑に作用し合う事により実現されることが示唆されると伴に、この研究においては、初めて大気圧非平衡プラズマプロセス中における原子状ラジカルの挙動を明確にすることに成功した。
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