2006 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブが分散した絹成型体を用いた高熱伝導性新素材の創製
Project/Area Number |
18656221
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 伸治 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10208796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 秀定 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (30002934)
玉田 靖 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫新素材開発研究グループ, チーム長 (70370666)
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Keywords | バイオプラスチックス / シルク / フェィプロインタンパクシツ / パルス通電焼結装置 / ホットプレス / 熱変形温度 / カーボンナノチューブ / 熱伝導率 |
Research Abstract |
成形温度、成形圧力及び水分の添加がシルクフィブロインタンパク質の樹脂化に及ぼす影響を詳細に調査した。また、パルス通電焼結装置を用いた従来の成形に代わり、簡単な外部加熱によるホットプレス成形の可能性について検討した。成形圧力を20MPa、水分添加量を20mass%一定とした場合、目視による観察では353K以上の成形温度において完全な樹脂化が観察され、323K〜343Kではシルク粉末の固化物に樹脂が分散した様子が観察された。また、成形温度を313K、水分添加量を20mass%一定として、成形圧力を変化させたところ、成形圧力の増大とともに樹脂化の進行が確認された。全ての成形体のXRDスペクトルには成形温度、成形加圧、水分添加量の依存性は認められず、FT-IRによるアミド結合の吸収ピークにもそれらの依存性は見られなかった。DSC曲線では、今回、設定した最も高温の473Kで成形した成形体においてのみ583K付近で吸熱ピークが確認され、他の成形体では563K付近でこの吸熱ピークが確認された。次に、成形圧力を40MPa、水分添加量を20mass%一定とした場合、成形温度が343Kと473Kの成形体のEGA-MSスペクトルを比較した。その結果、343Kと553K付近で水分の蒸発が確認され、前者は水分の蒸発、後者は脱水をともなう硬化架橋反応によるものと考察した。また、成形温度が473Kの場合のみ、573K付近においてM/Z=10〜27の微量のガス放出が確認され、シルク成形体が分解し始めているものと推定した。この分解は成形体の曲げ強度に反映し、成形温度が高温ほど増加する筈の曲げ強度が473Kでは減少した。次に、ホットプレスを用いた成形では、成形圧力を20MPa、水分添加量を20mass%一定とし、323〜343Kの範囲で成形温度依存性のみを調査した。その結果、最も高温の473Kの場合のみ完全な樹脂化が確認された。その成形体のXRD、FT-IR、DSCの分析結果は、パルス通電焼結装置で成形したものと顕著な相違はなかった。
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Research Products
(4 results)