2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブが分散した絹成型体を用いた高熱伝導性新素材の創製
Project/Area Number |
18656221
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 伸治 Muroran Institute of Technology, 工学部, 教授 (10208796)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 定 室蘭工業大学, 工学部, 准教授 (30002934)
玉田 靖 農業生物資源研究所, 昆虫新素材開発研究グループ, チーム長 (70370666)
|
Keywords | バイオプラスチックス / フィブロイン蛋白質 / 成形体 / カーボンナノチューブ / 電気抵抗 / 熱伝導率 / ガラス転移温度 / リサイクル性 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブとシルク粉末の目視上比較的均一な混合物から成形した場合、カーボンナノチューブを10、20、30mass%まで添加すると電気抵抗が8.1×10^<-3>、1.4×10^<-3>、9×10^<-4>Ω・mまで直線的に減少し、徐々に導電性が付与される傾向が確認された。また、レーザーフラッシュ法と定常法により熱伝導率を測定したところ、ポリ乳酸や汎用エポキシ樹脂を大きく凌駕し、高密度ポリエチレンにも匹敵する0.40〜0.44W/(m・K)の熱伝導率が得られた。これまで明らかにしてきた高周波域における誘電特性と併せて、信号伝播速度の高速化と伝送損出の低減化のみならず、情報端末やデバイスの小型化・高性能化を可能にし、さらに機器内部で発生した熱の効率的な放熱を可能にする基板材料に応用できることを明確にした。この他、シルク成形体のTMAにより測定したガラス転移温度は180℃に達し、耐熱性が要求される自動車内装材料や車載用電装品にも適したバイオプラスチックスであることが確認されている。また、シルク成形体のリサイクルの可能性についても検討した。最初の成形体を機械的粉砕した粉末から、(1)機械的粉砕した粉末を再びパルス通電焼結装置を用いて成形した他、(2)機械的粉砕した粉末を、中性塩の水溶液に溶解後、透析による脱塩、凍結乾燥を経て粉化した粉末を再びパルス通電焼結装置を用いて成形した。成形前のシルク粉末と最初の成形体や再成形体を中性塩の水溶液で溶解後のフィブロインフ水溶液の分子量を測定したところ、再成形体ほど分子量は減少するものの、その減少の割合は成形温度に大きく依存し、なかでも125〜150℃の成形体の減少の割合が最も小さかった。しかし、それぞれの方法による再成形体の誘電特性は、最初の成形体のそれと同じであった。
|
Research Products
(10 results)