2006 Fiscal Year Annual Research Report
3元有害ガスに加えてカーボンナノ粒子も分解する高温まで安定な希土類含有金属酸化物
Project/Area Number |
18656223
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 伸也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90029299)
|
Keywords | 希土類酸化物 / セリア / 蛍石型構造 / カーボンナノ粒子 / 自動車排ガス触媒 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1300℃と超高温においても安定な相を維持して高い酸素放出吸収特性を有し、しかも低温においても速やかに、多量の酸素を放出、吸収することができる希土類含有金属酸化物を新しい設計概念に基づいてデザインし、その自動車排ガス触媒としての可能性を調査することである。この酸化物を用いた3元触媒を用いると、排ガス浄化性能を維持しつつエンジン燃焼温度の上昇によるエネルギー変換効率の向上、燃費の向上、さらには、酸化物の酸素吸収が発熱反応であることを利用してカーボンナノ粒子を酸化させることができることになる。平成18年度は、xPrO_Z-(1-x)ZrO_2系(x>0.5)においてPrO_Z/ZrO_2組比を種々に変えて希土類複合酸化物試料の合成を行い、O_2ガスおよびH_2ガス中で焼鈍を行い相安定性について調べた。さらに、種々の濃度のPrO_Zを添加したxCeO_Z-(1-x)ZrO_2系においても、CaF_2構造の相安定性および新規な化合物の出現の可能性について調べた。その結果、Zr-Ce-Pr-O系の全域の組成において、1300℃まで安定であり、かつ450℃近くでカーボンを酸化させることの出来るCaF_2関連構造の酸化物固溶体の存在を示唆する結果を得た。さらに欠陥の規則配置に伴う数種のCaF_2関連構造が認められ、多量の酸素を高速で放出吸収する特性を発揮するにはCaF_2関連構造の混在状態が適していることが明らかになった。
|