2007 Fiscal Year Annual Research Report
3元有害ガスに加えてカーボンナノ粒子も分解する高温まで安定な希土類含有金属酸化物
Project/Area Number |
18656223
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松尾 伸也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90029299)
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Keywords | 希土類酸化物 / セリア / 蛍石型構造 / カーボンナノ粒子 / 排ガス触媒 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1300℃と超高温においても安定な相を維持して高い酸素放出吸収特性を有し、しかも低温においても速やかに酸素を放出、吸収することができる希土類含有金属酸化物を新しい設計概念に基づいてデザインし、そのカーボンナノ粒子分解・排ガス触媒としての可能性を調査することである。平成18年度のxPrO_z-(1-x)ZrO_2系の研究においてx=0.75近傍にCaF_2類似の新規な単相を見出した。この知見を元に平成19年度は、0.75{(1-x)PrO_z-xCeO_z}-0.25Z_rO_2の三元系においてPrO_z/CeO_z組成比を種々に変えて試料合成し、O_2ガスおよびH_2ガス中での焼鈍を行い相安定性について調べた。酸化・還元の両雰囲気でPrO_z側にω相、CeO_z側にC相のともにCaF_2類似構造の固溶体が広がっていた。このため0.75{(1-x)PrO_z-xCeO_z}-0.25ZrO_23元系粉末の酸素放出はPrO_z側とCeO_z側で大きく異なった。これらの粉末に混合したカーボン粉末はCeO_2側でよく燃焼した。そこでCeO_2側に研究を絞り、種々の遷移元素を添加した0.75 CeO_2-0.25ZrO_2組成の粉末の酸素放出挙動、およびカーボンナノ粒子を混合したときのカーボンの分解挙動を調べた。酸素の放出吸収は150℃と低い温度でも観測され、それに伴い、わずかながらカーボン燃焼温度の低下が認められた。X線回折からパイロクロア類似相の出現および酸素の溶解・離脱に伴う相の収縮膨張が観測された。パイロクロア構造とCaF_2構造のナノレベルでの微細混合状態の出現が低温で良好な、かつ高耐熱性の酸素吸収放出能を生み出すことが分かった。
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