2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブロックコポリマーによるベシクル構造体等の形成とその表面固定化過程の解析
Project/Area Number |
18656225
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
木原 伸一 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30284524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝嶌 繁樹 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (10188120)
春木 将司 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (90432682)
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Keywords | ブロックコポリマー / 組織化構造 / 固定化プロセッシング / 薄膜 / 超臨界二酸化炭素 / 表面自由エネルギー / ポリマーフィルム / 可塑化 |
Research Abstract |
(1)ブロックコポリマーのセグメント間とシリコン基板との相互用の設定と基膜の作成 市販されているPS-b-PMMAブロックコポリマー、C60を購入し、トルエン、クロロホルム、MEK溶媒に1wt%前後の濃度で溶解または分散させ、100面のSiウエハー、PET、PESを基材として、成膜厚さを40nm程度となるようにスピンコートした。PET、PESは表面自由エネルギーが高く、コーティング時に溶液がはじかれやすいため、回転数をSiウエハーを利用した場合に比べ半分の速度とした。尚、基材は、比較のために0.5wt%以下のHF溶液を用いて常温で1分、3分間酸処理することで、コポリマーセグメントと基板の表面自由エネルギーとのバランスを調整した。Siウエハー基板では170℃で2日間、PET、PESではTg程度の温度で2日間真空中でアニールした。AFMによる観察により、Siウエハーを3分間処理し、トルエン溶媒を利用した場合に基板に垂直なシリンダー構造が形成されたが、他の溶媒やC60を分散させた系では構造が形成されなかった。C60は溶液乾燥後の観察の結果、μmサイズに不均一に凝集した。これは、コポリマーとともに分散させた場合について同様であった。PET、PES基板では、低誘電体であるため、耐電性が高く、静電反発の影響を受け、AFMによる観察が出来ていない。来年度は、静電除去法も検討する。また、基板の表面自由エネルギーは、購入した表面張力測定機を用いて測定したが、有機溶媒の蒸発速度が速く、装置セル部を一部改良した。来年度は、表面自由エネルギーの評価マップを作成する。また、来年度は、ナノ粒子の配置方法を検討するために、薄膜形成した後にUV照射により凹凸形成し、溶液分散したC60を塗布することでドット配置可能かどうかを実施する。 (2)二酸化炭素による可塑化効果の検討 (1)にて作成した薄膜を超臨界二酸化炭素による可塑化効果を検討したが、二酸化炭素の送液ポンプが不良のため、比較データがとれていない状況である。来年度の引き続き実施する。一方、Sanchez-Lacombe状態方程式によるセグメントの可塑化効果の見積もりを行った。来年度は、二酸化炭素の可塑化効果を利用した相互作用のコントラスト化について、実験的にも検討する。また、粗視化モデルによる構造形成のシミュレータの開発を実施する。
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