2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656229
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿尻 雅文 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60182995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名嘉 節 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (30344089)
梅津 光央 東北大学, 工学部, 助教授 (70333846)
大原 智 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (00396532)
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Keywords | 負の屈折率 / 超臨界水熱合成 / in-situ表面修飾 |
Research Abstract |
(1)負の誘電率材料の探索(阿尻・名嘉) 負の誘電率を達成しうる金属強磁性ナノ粒子の開発を行った。金属強磁性を示す物質として遷移金属、酸化物をとりあげ、超臨界水熱場における有機-無機相互作用を介したナノ結晶成長について検討した。材料として、鉄コバルトや白金鉄などの合金系(金属)、およびマグネタイト、マグヘマイト、各種フェライトなどの鉄をベースとした高絶縁体系のナノ粒子合成に取り組んだ。特に酸化物系のナノ粒子合成では、(1)超臨界中では有機分子と金属イオンが均一相を形成し、(2)媒質の溶解度の減少により無機ナノ粒子の核発生後(3)有機物による高活性結晶面の成長速度が抑制され、(4)その結果として通常では得られない表出結晶面をもつナノ結晶が得られた。これらの性質は、ナノ粒子を用いた自己組織化構造(超格子構造)を制御する上で不可欠なものである。 (2)超臨界水熱合成プロセスの酸化・還元場の制御(阿尻・大原) 流通式超臨界ナノ粒子合成法に酸化・還元場制御を導入するため多段式の原料吹き込み装置を開発した。その結果として、通常水熱場では困難であった金属(合金)系のナノ粒子合成が可能になった。また、回分式反応装置を用いた合成実験により、コバルトおよび鉄コバルト合金のナノ粒子合成条件を検討した。現状では、回分式ではコバルトおよび鉄コバルト、白金鉄合金のナノ粒子化に成功している。 (3)超臨界水熱合成in-situ表面修飾(阿尻・梅津) 上記の超臨界ナノ粒子合成装置を酸化・還元場制御することにより、金属および合金のナノ粒子化に成功したが、さらに有機分子によるin-situ表面修飾により、ハイブリッドナノ粒子を合成する条件及び合成法に関する研究を行った。流通式超臨界ナノ粒子合成装置への原料吹き込み口増設等により、酸化還元能を制御した超臨界水熱場に表面修飾剤を導入することに成功した。その結果として、強い磁性を持つにもかかわらず有機溶媒中に分散する表面修飾コバルトナノ粒子の合成に成功した。
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Research Products
(4 results)