2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656241
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹治 保典 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (00282848)
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Keywords | 経口ワクチン / バクテリオファージ / 表層工学 / 大腸菌O157:H7 |
Research Abstract |
現在使用されているワクチンの多くは、ポリオを除き注射によって接種される。一方、腸管は体内最大の免疫臓器であり、自己と非自己の識別をし、病原体の侵入を阻止する最前線の感染防御バリアーといえる。腸管の粘膜上皮は抗原が最初に生体に侵入する場であり、腸管のリンパ組織にはもっとも多くのリンパ球が存在する。 大腸菌O157:H7の接着因子であるインチミンを発現するT2ファージを分子構築した。同ファージを用い以下の条件で実験を行った。実験系(4系列、1系列に6匹のマウスを使用) A:ネガティブコントロール群(投与ファージ:T2ファージ) B:コントロール群(投与タンパク質:精製インチミンタンパク質をC群と等量) C:コントロール群(投与ファージ:インチミン呈示T2ファージ) D:ファージ投与群(投与ファージ:インチミン呈示T2ファージ、大腸菌投与) 時間ゼロでファージ、大腸菌またはその混合液をゾンデを用い経口投与した。T2ファージは野生株ファージで、抗原(インチミン:int)は発現していない。Intimin proteinは組換大腸菌を用い発現精製したインチミンタンパク質である。T2int phageは組換え体ファージで、頭殻表層にintを発現している。また、最初の投与から2週間後にブースターとして同じ条件でファージを投与した。C、Dのグループでint特異的IgA抗体の産生が認められた。IgAの産生量はブースター投与後一週間で中止したが、一般にはブースター投与後数週間後に抗体産生がピークを迎える。
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