2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656253
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
川口 淳一郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙航行システム研究系, 教授 (10169691)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 孝尚 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・深宇宙探査センター, 研究員 (10415903)
|
Keywords | 航空宇宙工学 / 人工衛星 / 宇宙機システム / 熱力学 |
Research Abstract |
宇宙用機器は常に高性能化と小型化を指向しており,高温,高電圧機器の絶縁および冷却を考えた場合,宇宙用機器の絶縁冷却システムとして同時に解決されることが望ましい.そこで本研究では,フッ素系不活性液体の電気絶縁性と熱伝導性を最大限に利用して,実際の宇宙機に応用可能な絶縁冷却温度制御システムを構築することを目的とする. まず,アクリル製フッ素系不活性液体特性試験装置を用いてフッ素系不活性液体の絶縁性検証実験を行い,その結果,フッ素系不活性液体温度が25[℃]のとき,フッ素系不活性液体の絶縁耐力が14.0[kV](3.5[mmGap])以上であることを検証した.また,フッ素系不活性液体の加熱や圧力変動など何らかの原因で実験装置内に気泡が発生した場合,その気泡から放電してしまう可能性が考えられるが,実験容器内部に圧力を加えることでフッ素系不活性液体の加熱による気泡の発生を抑制させることができることを実証した. 次に,改良したフッ素系不活性液体特性試験装置を用いて作成した絶縁冷却システムのシステム同定を行い,絶縁冷却システムの解析モデルを構築した.また,フッ素系不活性液体を動作流体とし,高温高電圧電子素子を模擬したヒーターの絶縁冷却温度制御を行った.その結果,目標とする温度(45℃)に収束することを確認した.そして,システム同定を行ったことによって得られた解析モデルを用いた数値シミュレーションを行い,結果を絶縁冷却温度制御実験結果と比較した.その結果どちらも同様の傾向を示しており,解析モデルの妥当性を検証できた. 本研究では、絶縁冷却システムを実際の宇宙機の高温高電圧電子機器の熱発生部位を考慮したものに変更し、実際に必要になると考えられる多点の温度制御を行うことが今後の課題である。
|