2006 Fiscal Year Annual Research Report
大強度パルス相対論的電子ビームによる土壌中の揮発性有機化合物の無害化
Project/Area Number |
18656262
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
今田 剛 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60262466)
|
Keywords | 水質汚濁 / 土壌汚染 / 環境技術 / 加速器 / 有害化学物質 / 電子ビーム / パルスパワー / 揮発性有機化合物 |
Research Abstract |
大強度パルス相対論的電子ビーム照射による土壌中の揮発性有機化合物の無害化実験用の土壌処理チャンバの設計、製作および基本特性の評価を行った。 チャンバにはハニカム状に多数の小穴を設けたフランジに厚さ数十μmのチタン膜を組み合わせた電子ビーム照射窓を採用して、真空側(電子ビーム発生装置)と大気側(汚染土壌試料)の密封遮断を確実に行い、なおかつ、電子ビームがチャンバ中に効率的に入射するように設計、製作した。照射窓の光学的透過率は50%以上である。また、電子ビームの進行方向に沿って仕切り窓を設けてチャンバを2分割して電子ビーム入射の上流側と下流側の2つの領域に分けて汚染土壌試料をチャンバ内に装填できる構造とすることにより、電子ビームの土壌への進入深さと揮発性有機化合物の無害化特性の関係を吟味することが可能となっている。さらに、電子ビームモニタ用の電流センサー、揮発性有機化合物測定用のVOC濃度計、副生成物ガス観測用のガス検知管、および、制動エックス線計測用のエックス線測定器の各種モニター機器の接続ポートを有する構造とした。 製作したチャンバを電子ビーム発生装置に接続して真空試験を行った結果、良好な密閉遮断特性が得られ、チャンバの接続が電子ビーム発生特性に影響を及ぼさないことが確認された。また、チャンバ固有の化学特性を吟味するため、空のチャンバ(大気を充填)に大強度パルス相対論的電子ビーム(最大エネルギー2MeV、ピーク電流2kA、パルス幅50ns)を照射し副生成物ガスの観測を行った結果、揮発性有機化合物の濃度測定を妨げるチャンバ固有の副生成物ガスの発生のないことが分かった。
|