2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルの超音波圧壊による鉄沈スラッジの迅速結晶化プロセスの開発
Project/Area Number |
18656265
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 崇 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20112360)
|
Keywords | マイクロバブル / 超音波 / スラッジ / 水酸化鉄 |
Research Abstract |
本研究は、産業廃水中の重金属の共沈処理(鉄沈)により大量に生じるスラッジ(ゲル状水酸化鉄コロイド)の沈降分離を促進させる新規プロセスの開発を目的としている。方法は、廃水中のゲル状微粒子をマイクロバブルの表面に付着させた状態で超音波を照射し、連続的なマイクロバブルの圧壊による高温・高圧場(ホットスポット)ならびにマイクロジェッットによる粒子同士の高速衝突でゲル状水酸化鉄コロイドを迅速に結晶化させるものである。本研究では、まず廃水中にマイクロバブルを分散させて超音波を照射することによりマイクロバブル同士の凝集浮上を促し、スラッジの高速浮選プロセスを行う。その後、浮上したスラッジに付着固定したマイクロバブルに超音波を連続照射し、ゲル状微粒子の常温での改質(結晶化)を目指す。 本年度は、マイクロバブルの挙動を超音波で制御することにより、水酸化鉄微粒子の高速浮上分離の可能性を見出した。用手攪拌法で作成したマイクロバブルとフェリハイドライト微粒子を分散させた水溶液に周波数430kHzの超音波を照射することより、フェリハイドライトの浮上分離を促進することができた。適切な周波数の超音波場が気泡にもたらす第一Bjerknes力により、マイクロバブルの挙動が制御され、凝集浮上が促進されたと考えられる。今後、重金属の共沈剤など様々な沈降性の悪いスラリーの分離への応用が期待される。来年度から、マイクロバブルを水溶液中で圧壊させる実験を試みる。圧壊による衝撃波や局所的な高温場による分散スラリーの改質の可能性を探る。
|
Research Products
(2 results)