2006 Fiscal Year Annual Research Report
大強度パルス重イオンビーム照射により材料表面の汚染層を剥離して除去する技術の開発
Project/Area Number |
18656270
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小栗 慶之 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (90160829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90302984)
小川 雅生 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (60016863)
|
Keywords | バックエンド / 放射能表面汚染 / 除染 / 加速器 / パルスイオンビーム / イオン注入 / 熱応力 / レーザーイオン源 |
Research Abstract |
今年度は,主に本研究の遂行に十分な強度のパルス陽子ビームを得るためのレーザーイオン源及び誘導線型加速器系の準備を行った. まず試料照射実験用スペースの確保のために実験室既存装置の再配置を行った後,140kV誘導線型加速器本体及びパルス電源,制御系の移設を行った.これらに試料照射用真空容器とターボ分子ポンプを取り付け,調整後に真空排気を行い,イオン源内部,加速ギャップ及びビーム輸送部で実験に必要な真空度を達成した.引き続きフラッシュランプ励起QスイッチパルスYAGレーザー本体とミラー,集束レンズ等,光学系の取り付け調整を行った.レーザー発振とビーム引出・加速電圧発生の同期を取るための遅延パルス発生回路系を構築し,励起用フラッシュランプ,Qスイッチ及び加速電圧のタイミング調整によりビーム強度を最適化調整できる見通しを得た.レーザープラズマからのビーム引出し面の形状制御のために,メッシュグリッドを取り付けた半球状引き出し電極を持つダイオード構造を製作した。グリッドバイアス電圧を供給するための回路系を設計・製作し,真空試験の後,誘導加速器の高電圧端子内に設置し動作試験を行った,また陽子ビーム発生のためのポリエチレンターゲットを製作した.これらの作業により,ビーム照射・イオン注入装置系の準備がほぼ完了した. 並行して,弾性反跳イオン分光測定による水素イオン注入層の深さプロファイル測定に備え,一次イオンビーム,試料標的及び荷電粒子検出器等の配置に関する運動学的設計計算を行った,その結果,注入した水素原子を反跳させて十分な深さ分解能を確保するためには一次重イオンビームとして10MeVの^<35>Clイオンが最適であることが分った.
|