2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療診断応用を目指した電流測定型X線エネルギー検出器の開発
Project/Area Number |
18656272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神野 郁夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50234167)
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Keywords | X線 / エネルギー差分法 / ヨウ素造影剤 / 低被曝化 / CT |
Research Abstract |
5mm角で厚さ1mmおよび0.1mmのSiおよびCdTeを6個並べた電流モード検出器について,モンテカルロシミュレーションコードEGS4を用いて,応答関数の計算を行った.エネルギー10keVから100keVまで,1keV間隔で光子を入射させ,電流モード検出器のそれぞれへ付与するエネルギースペクトルの計算を行った. 次に,厚さ20cmの水ファントム中の1cmの領域に様々な濃度のヨウ素造影剤がある場合について,フィルタX線が水ファントムを通過したあとのエネルギースペクトルを計算した.このエネルギースペクトルに上記の応答関数を掛けることで,電流モード検出器の個々の素子から出力される電流値を求めた. 求めるエネルギー領域を4つに分け,そのうち二つをヨウ素のK吸収端の上下のエネルギー領域とし,この領域のX線イベントの比からヨウ素厚さを求めることができる. 電流モード検出器の出力電流と応答関数とからなる行列式を解くことで,入射したX線の数を4っのエネルギー範囲について求めた.この結果,負のイベント数がでるなど、不都合な点もあ:るが,ヨウ素K吸収端の上下のエネルギー範囲の比をパラメータとすると,これはヨウ素厚さに従って,ほぼ比例して変化した. 今後は,ニューラルネットワークなどの手法を取り入れ,より満足がいく解が求まるようにしていく. X線のエネルギー情報を用いることで,電流測定によるCT画像よりも良い画像が実際に取得できることを示すために,CdZnTe検出器を用いて,測定を行った.用いたファントムは直径3cmのアクリル製であり,この中心に直径1cmの穴があり,ここに種々の濃度のヨウ素を入れて測定した. この結果,エネルギー測定の方がCT値が大きくなることが実際に示された.
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