2006 Fiscal Year Annual Research Report
転移可能な新規ヘリトロン様トランスポゾンHelipファミリーの構造と転移機構
Project/Area Number |
18657004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仁田坂 英二 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (60222189)
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Keywords | トランスポゾン / ヘリトロン / アサガオ |
Research Abstract |
ヘリトロン(Helitron)は近年のゲノム研究の進展に伴い、高等生物ゲノムの数パーセントを占めるほど多数存在することが明らかになったトランスポゾンである。しかし、これまでヘリトロンの挿入突然変異体についてはトウモロコシ等、数えるほどしか見つかっていない。また、我々が見いだしたマルバアサガオの花の形態形成変異体かの原因遺伝子(C機能MADS-box遺伝子)に挿入していたHelip1は稀に体細胞復帰変異を起こすため、これまで知られている中で唯一離脱可能なヘリトロンである。そのため、この系を用いて、高等生物に普遍的に存在するヘリトロンの自律性因子を含む構造と、その転移機構を明らかにすることを目的として研究を行っている。マルバアサガオのコスミドベクターを用いたゲノムライブラリーを作製し、Helip1をプローブにして、相同なヘリトロンを多数単離した。これらのヘリトロンの間で構造や塩基配列の違いを解析した結果、塩基置換等の多型に富んでおり、通常のトランスポゾンにもよく観察されるような内部に欠失のあるタイプも多数得られた。これらのヘリトロン(Helip1ファミリー)他の植物のヘリトロンの構造を比較し、内部にコードしているhelicase等のタンパクの配列を検討した結果、fp遺伝子に挿入しているHelip1は自律性因子の可能性があることが示された。そのため、このHelip1の転移能を解析するため、アグロバクテリウムを介した形質転換によつてシロイヌナズナに導入し、現在その転移活性を解析している。
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