2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞壁タンパク質の選別回収機構解明を目指した比較ゲノム的アプローチ
Project/Area Number |
18657014
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西谷 和彦 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (60164555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆亮 東北大学, 生命科学研究科, 講師 (90302083)
|
Keywords | 遺伝子 / 植物 / 蛋白質 / 発生・分化 / プロテオーム |
Research Abstract |
植物細胞は常時多量のタンパク質や糖質、フェニールプロパノイドなどを細胞外,すなわち細胞壁中に分泌し,細胞壁を構築・再編しながら形態形成,生体防御,細胞間の情報や物質の輸送など,多岐に亘る機能を処理している。分泌される高分子類は,恒久的に細胞壁中に残留するもの(構造タンパク質やセルロースなど)と,役割を終えた後,細胞壁中より速やかに姿を消すもの(酵素などの機能分子)とに大別される。後者は細胞壁中の何らかの選別・回収システムを介して,細胞内に戻され,再利用されている筈であるがその過程についての実証的知見は殆どなく,細胞の外で分子を識別し、選択的に細胞内へ回収するシステムの存在はいまだ植物においてはその存在すら知られていない。本研究ではこの点に着目し、細胞壁動態に関する知見の蓄積したシロイヌナズナとイネの比較ゲノム情報とプロテオームの情報を活用しながら、細胞生物学の手法により、雑多な細胞壁構成タンパク質の中より細胞壁タンパク質の選別回収の標的となるタンパク質の特定と、タンパク質選別回収の分子機構の解明を目指した研究を計画した。本年は、標的タンパク質の探索を中心に進めた。プロトプラストから細胞壁が再生される過程で変動するタンパク質動態をプロテオームの手法で探索した結果、α-キシロシダーを初めとする複数種のタンパク質が、細胞壁中で多様な修飾を受けることをあきらかにした。また、二次細胞壁沈着過程で高発現する遺伝子産物をマイクロアレー法および定量RT-PCR法で探索した結果、グリシンリッチタンパク質が分泌後にアポプラスト内を移動することを見いだした
|