2006 Fiscal Year Annual Research Report
フェムトプランクトンに属する微細藻類の検出,同定と解析
Project/Area Number |
18657031
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塩井 祐三 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (70094092)
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Keywords | フェムトプランクトン / 微細藻類 / 光合成色素 / HPLC / 駿河湾 / 多様性 / 海洋生態 |
Research Abstract |
プランクトン(浮遊生物)はその大きさにより大別されるが,0.2μm以下のフェムトプランクトンと呼ばれるような植物プランクトンは,ウイルスの大きさであり,検出の難しさから未だに見過ごされてきた.我々は駿河湾の植物プランクトンの生産構造と個体群の動態を調べるために高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析を行なってきた.0.2μm以下のフェムトプランクトンに属する微細藻類については,駿河湾の定点S-2から採水した海水を0.2μmのフィルターでろ過し,そのろ過海水をさらに0.05μmのフィルターを用いてろ過したフィルターについて光合成色素の存在の有無を調べたところ,クロロフィルとカロテノイドを含み,プラシノキサンチンなどの特有の標識色素が存在していた.この結果は,再現性も見られ,また他のサンプルの混入は考えられなかった.このことからプラシノ藻類が存在していると考えられる.色素が存在することに対する他の可能性を検討したところ,藻類がフィルターで分画される段階で壊れてその破片が落ちてきているのではないかと考えられた.そこで,0.05μmのフィルターでろ過し,そのフィルターを直接培地に入れて培養実験を行ったところ,藻類が生育していることがわかり,現在色素の分析,サイズの確認を行ないつつある.また,単離による結果から2種類の原核藻類が存在することが分かってきた.プラシノキサンチンは真核藻類の標識色で,微細な大きさでありながら真核藻類が存在するのか,新たに原核藻類にも存在するのか,また,分画時にプラシノ藻がフィルターを通り抜けてしまうことはないのかなど,今後の討課題として残されている.
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Research Products
(2 results)